2016年8月27日土曜日

Klab(3656)の思い出

Klabはインターネット2chの皆さんには「蟹」として親しまれています。
私は2015年夏、蟹の株価がもっとも高値圏に達しているころこの銘柄を買い、チャイナショック後700円付近で売るというとんでもない失敗をしました。(約2000→700)

言ってみれば「株は高値ではなく底値で買うべき」という基本ルールをいやというほど味わった銘柄です。

もともとこの銘柄は博打用のデイトレ銘柄だ、というきちんとした認識があれば、1900円を割ったあたりで損切りできたでしょう。そうです蟹は博打銘柄なのです。

なぜ博打銘柄になってしまったのでしょうか?
それはスクフェスというアプリが原因だと思っています。
実力ではなく外部の要因で過剰に評価された作品。

(スクフェスはゲームバランスが良いという話ですが、さらに外部からの人気で過大評価を受けていると思います。おなじようなベースのGleeが特損撤退してますので)

なんだこの程度の出来でも簡単に一位を取れて課金で大儲けできるじゃん。

こうした間違った認識は、会社の成長を妨げます。
私は蟹のアプリでまともに遊んだのはAOEしかありませんが、このAOEはリリース時からお付き合いさせていただきました。(これもマイクロソフト発の人気タイトルです)

あえて辛口の評価をしますが、このアプリはひどいものでした。

リリース時の対応機種がほとんど無い(スペックの高い機種でプレイできない)。そこまで凝ったアニメーションを使っていないのに極端にゲームが重い。リアルタイム性が大事なゲームなのにタップを認識しない。同時にいくつも英雄を出さないと勝てないのに3つ以上出すと必ずフリーズする。英雄が眼前の敵と逆の方向に走りだす。これはほんの一例です。

何年も開発期間を伸ばした割にはひどすぎるんじゃないの?と言う出来でした。
【開発の社員が手を抜いたか、テストプレイで報告を怠ったか、あるいは人がそもそも足りてないか、どういう理由かわかりませんが「作りかけ」の状態だと思いました。ひょっとしたら会社の経営層と開発部隊の仲が悪いのかもしれません。】

年末商戦に間に合わせるためにとりあえずリリースしましたという感じ。

私はスクフェスの人気が衰えたからではなく、AOEの出来が悪く、いつまでも改善しなかったので株を手放しました。会社としての姿勢に疑問を持ったわけです。

以前、私が面接に行った洋菓子の会社でこういう話がありました。
その洋菓子屋さんは、ある焼き菓子を多くの大手デパートの売店で販売していました。
知る人ぞ知る、と言った知名度ですが、味がとても良かったので口コミでお客の数は増えて行きました。

ある時、雑誌の特集でこのお菓子が紹介され、ものすごい人が売店に押し寄せるようになりました。菓子は連日売り切れ。当時洋菓子の会社はやっと自分らが認められたと喜んだそうです。

ところがほんの2ヶ月ほどでそのお客さんたちはパッタリと買うのをやめてしまい、店には大量の売れ残りが発生するようになりました。

移り気な客は雑誌で毎月紹介される別の菓子に移動。以前購入していたお客さんも来なくなったのです。

ある時、売店に訪れたかつての常連さんが言いました。「何度も買えなくて帰ることが多かったんですよ。」

それを報告で聞いた会社の社長は、今後一切取材は断り、広告も出さない。いいものを作っていれば口コミで評価は広がる。という会社の方針を決めたそうです。

一時的な外部要因で大売れしても、却って自社や可愛がってくれている常連にマイナスだと判断したのだとか。
これがそのお菓子。メーカーは伏せます

蟹さんも、そろそろ他人のふんどしで相撲を取るのを止めないと、会社としての評価はいつまでたっても上がらないのではないでしょうか?

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