私は60~70年台のフォークが好きなのですが、この頃「さよならをするために」と言う楽曲がことさらに気に入っています。
この曲の作詞は石坂浩二さんで、作曲は坂田晃一さん。曲が特に好きなのですが、詞も何か直球でなく、詩的表現を使っているところが好きです。
しかし初めてこの曲を聞いた90年頃には、歌詞の意味が少しわかりませんでした。
今、自分の経験と照らしあわせて考えると、この歌詞はこういう意味なんじゃないかと少し理解できた気がします。
過ぎた日のほほえみを みんな君にあげる
ゆうべ枯れてた花が 今は咲いているよ
過ぎた日の悲しみも みんな君にあげる
あの日知らない人が 今はそばに眠る
おそらくこれは過去の恋人に宛てた気持ちなのではないでしょうか。
<一緒に過ごした君に、過去の楽しかった思い出をあげるよ。
別れたことは悲しかったけど、今、自分は元気だよ。
二人で過ごした日にいろいろあった悲しい出来事も、みんな君にあげるよ。
だって今、僕の脇には新しい恋人が眠っているんだから。>
暖かな昼下がり 通り過ぎる雨に
濡れることを 夢にみるよ
風に吹かれて
胸に残る想い出と
さよならをするために
<風に吹かれ、雨に濡れ、過去の自分を流し去るんだ。
胸にある君の記憶とサヨナラをするために。>
昇る朝日のように 今は君と歩く
白い扉を閉めて やさしい夜を招き
今のあなたにきっと 分かるはずはないの
風に残した過去の さめた愛の言葉
<登っていく朝日のように、今は新しい恋人と歩く僕。
彼女と家庭を持って、仲良く一緒に暮らすんだ。
遠く離れてしまった君に、わかるはずはないよね。
別れる前に交わした愛の言葉は、もうすっかり冷めてしまったし。>
暖かな昼下がり 通り過ぎる雨に
濡れることを 夢にみるよ
風に吹かれて
胸に残る想い出と
さよならをするために
当時、石坂浩二さんは「2丁目3番地」「3丁目4番地」で共演していた浅丘ルリ子さんと結婚を控えていたようで、この曲も「3丁目4番地」の主題歌に使われています。石坂さん本人は加賀まりこさんと付き合っていて(同棲)、1971年、2丁目3番地がちょうど終わり、3丁目4番地が始まる前に浅丘ルリ子さんと結婚したようですので、加賀まりこさんに向けてこの歌詞を書いたのならまたドラマティックなのですが。ちょうど時間軸も符合しますし。
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