2016年11月30日水曜日

良い企業とはどんな企業なのか

以前、占いの専門家にこんな質問をしたことがあります。

「儲かっている会社というのは、お金儲けが上手な会社です。
しかし、お金儲けが上手な会社というのは、必ずしも世間的に褒められるようなことをしている会社ばかりではないような気がしますが、どうでしょうか?」

その方の答えはこんな感じでした。

「現在社会的に成功している会社の経営者というのは、創業時にもれなくひどいことをしてきた人ばかりです。ひどいことをしてこないと成功はおぼつきません。逆にあなたが品行方正になんでもやってみて御覧なさい。かならず貧困状態になり、ひどい目にあいます。」

なるほど私が見てきた人たちは確かに人格に優れていて商売も経営も抜群、という人はいなかった気がします。

私の父は営業職だったのですが、実は営業が大嫌いな人でした。もともと技術畑の人だったのです。

その父がこう言っていました。「営業というのは、極端に言えば人を騙すということだ。自分は営業をやっていて、自社の商品に自信があるけれども、営業というのは結局人を言いくるめて契約するということなんだ。」

だから営業は将来の仕事にしないほうが良いよ、という意味だったんでしょうね。

私はこの話を聞いて、国語が得意だったのですが高校の時に理系に転向して結局理系の学校に入りました。営業がやりたくなかったからです。技術で身を立てようと思ったのです。

その御蔭で、塾の講師をやったときも数学や理科の講師適性試験より、英語や国語のほうがかなり出来がよくて塾の社長に苦笑いされたことがあります。

まあ私の話は良いのですが、結局成功している会社というのは、営業がうまい(=騙すのがうまい)会社で、かならずしもホワイトな会社ばかりではないということです。

これは疑うことを知らない箱入り娘みたいな人でなければ、みんなわかっていることだと思います。

今年はPCデポの詐欺みたいな商法が明るみに出ましたけど、大なり小なり企業は「儲かる」方法を使っているのです。一般的に「良い企業」「優良企業」と言われているところは特に。

いい例が携帯各社であり、かつてやりたい放題だったサラ金であり、コンビニのフランチャイズ大元であるセブン、ローソン、ファミマなのです。

携帯各社は、ほとんどデータ通信など使わない老人などからも高い通信料を取り、ものすごい利益を叩き出しています。あるいは回線だけ間貸しをして手数料を取っています。

かつてのサラ金は、年利40%などというとんでもない利率の利息を取って金を貸していました。銀行の利息なんてどんなに高くても3%程度でした。銀行から3%で借りて、それを貸して40%の利息を客から取っていればそりゃ誰だって儲かるでしょう。

コンビニ各社はフランチャイズ契約をした事業主からかなり高いロイヤリティを取っています。

ではコンビニは悪なのか、というと私はそんなことはないと思っています。

私の古い知人で、誰もが知るような大企業を辞め、コンビニを始めたいという人がいました。私は当然「止めておいたほうがいいですよ」と答えました。

コンビニというより個人で商売を始めたり、事業を始めたりするのはすごいリスクがあると思うのです。

正直、個人で事業をやるならまだコンビニやったほうが良いと思います。
新規事業を立ち上げて、10年後もうまくやっている人はおそらく5%もいないと思います。
95%以上が消えていくはずです。成功したと思っていても必ずどこかで失敗します。

マネーの虎という番組でブイブイ言わせていた社長たちも、その後残らず一度は破綻しています。
事業というのはそれほど難しいのです。

そういう意味で、行き場が無くなった人がコンビニを経営する、というのは受け皿として有りだとは思います。収入が少なくて休みが無い。というのを我慢すれば、取りあえずは生きていけるからです。おそらく情報システム会社のデスマーチよりはかなり楽な仕事のはずです。

大手コンビニはブランド化してますから、立地が大外れでなければ大きくコケることはないはずです。それでも会社員やったほうが安全で楽に暮らせる国というのが日本なのです。

この国の良い時期である高度成長期はすでに終わり、「つまらない時代」に入ってしまったということだと思います。次に日本に良い時期が来るとしたら、スウェーデンのように経済格差があまりなく福祉に厚く、働きたい仕事に優先的に就けるような体制を取り、若い人たちが子供を作りたい、子供を産んでも大丈夫だと思うような世の中になったときだと思います。
おそらく日本ではそう言う展開にはならないでしょうけど。




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